ブロックチェーンとは?改めて基礎からわかりやすく解説

「ブロックチェーンとは」これを一言で表すのは至難の業です。というのも、「ブロックチェーン」と一口に言っても、その種類は多岐に渡り、前後の文脈や有識者それぞれの意見によって大きく異なっています。
まるで、「インターネットとは」という途方も無い疑問を投げかけているも同然なのです。

しかし、多少無理にでもあえて一言で表すのであれば、「コンピュータネットワークを用いて価値を流通させる仕組み」です。また、その仕組み内で使用するデータベースのことを意味します。

データベースとは、インターネット通信の際に使用される記録台帳のようなもので、ユーザー情報などを記録しておく場合に使用されます。

このデータベースを、特定の組織ないし個人が管理せずに運用できるようにし、かつ特定の用途に特化したものがブロックチェーンです。
そのため、ブロックチェーンは広義の意味でデータベースの一種であるともいえるでしょう。

例えば、FacebookのデータベースはFacebook社が管理していますし、LINEのデータベースはLINE社が管理しています。
仮に、これらの企業でブロックチェーンというデータベースの実用化が進むと、FacebookのデータベースはFacebook社が管理せず、LINEのデータベースはLINE社が管理しないということになります。

本記事では、「ブロックチェーンとは何か?」という漠然とした疑問を解消するために、「特定の管理主体が存在しない形でどのようにデータベースを管理するのか?」という点に焦点を当てて解説していきます。
この点を理解することで、ブロックチェーンが誕生した背景やこれからブロックチェーンがどのように実用化されていくのかが見えてくるでしょう。

ブロックチェーンの種類

まずはじめに、先述した通りブロックチェーンと一口に言っても、その種類(分類方法)は多岐に渡ります。
ブロックチェーンについて調べている読者の方々であれば、「ビットコイン」や「イーサリアム」という言葉は聞いたことがあるかと思います。

この「ビットコイン」「イーサリアム」という言葉は、仮想通貨としての「ビットコイン」「イーサリアム」を意味する場合と、ブロックチェーンとしての「ビットコイン」「イーサリアム」を意味する場合があります。

どういうことかというと、「ビットコインのブロックチェーン」「イーサリアムのブロックチェーン」がそれぞれ存在するということです。

そのため、ブロックチェーンについて言及する際には、まずは「ビットコイン」や「イーサリアム」という言葉が仮想通貨としての意味なのか、ブロックチェーンとしての意味なのかを文脈から読み取れるようになる必要があります。

大雑把に分けると、価格や投資の文脈では仮想通貨を意味し、テクノロジーやエンジニアリングの文脈ではブロックチェーン意味する場合が多いです。

なお、本記事における「ビットコイン」「イーサリアム」とはブロックチェーンとしての意味を持つものと定義付けます。

ブロックチェーンの分類方法

以上を踏まえ、数あるブロックチェーンをいくつかの種類に分類していきます。
分類方法も複数存在しますが、今回は「管理権限」の観点から分類しました。

上図のように、ブロックチェーンには大きく分けて3つの種類が存在します。

パブリック型

まずは、パブリック型のブロックチェーンです。
これは「パブリックチェーン」と呼ばれ、ビットコインやイーサリアムをはじめ、ブロックチェーンといわれるものはほとんどがこのパブリックチェーンに該当します。

従って、本記事そのものがパブリックチェーンを説明する内容となっているため、ここでは説明を割愛します。

なお、冒頭のブロックチェーンとは「コンピュータネットワークを用いて価値を流通させる仕組み」という表現についても、ブロックチェーンのほとんどがパブリックチェーンであるということを前提としています。

以降、本記事におけるブロックチェーンとはパブリックチェーンを意味するものとします。

プライベート型

パブリックチェーンと対をなすものがプライベート型のブロックチェーンです。
これは「プライベートチェーン」と呼ばれ、仮想通貨取引所Zaifを運営するテックビューロ社の開発したブロックチェーン「mijin」などがこれに該当します。

プライベートチェーンは、パブリックチェーンからいくつかの特徴を抽出しカスタマイズしたものになります。

プライベートチェーンには特定の管理者が存在するため、既存のデータベースとの違いがあまりないように感じる人も少なくありません。

実際、ブロックチェーンの最大の特徴である「透明性」や「トレーサビリティ」といった機能が、プライベートチェーンだと失われてしまいます。
「透明性」というのは、ブロックチェーンに記録するデータは全て公開されているということであり、「トレーサビリティ」というのは、過去の記録も全て公開されているためいつでも遡って記録を探すことができるということです。

それでは、なぜプライベートチェーンが存在しているのかというと、3つ目の大きな特徴である「ゼロダウンタイム」を実現するためです。

ゼロダウンタイムとは、Webサービスを提供する上で必要なサーバという機能がダウンしなくなる、という概念です。
サーバというのは、データベースに記録されている情報をやり取りする際に必要な仕組みになります。

少し具体例を出してみていきましょう。 例えば、ジブリ映画の「天空の城ラピュタ」が放送されると、日本人は一斉に「バルス」とTwitterで呟きますよね。
あの呟きの瞬間に、Twitter社のサーバには膨大な量の負荷がかかり、一時的に利用が停止してしまう現象が起きます。

他には、年越しの瞬間に、一斉に明けましておめでとうLINEを友達に送ると、LINE社のサーバに膨大な負荷がかかり、こちらも一時的に利用が停止してしまいます。(通信速度が遅くなったように感じた経験がある人も中にはいるのではないでしょうか?)

これが「サーバダウン」という現象です。
サーバがダウンすると、一時的にサービスが提供できなくなるため、運営会社は日頃から莫大な費用をかけてサーバを増強しています。

ブロックチェーンが登場するまでは、このサーバダウンは企業にとって非常に深刻な問題であり、サーバダウンを絶対に発生させないこと(これをゼロダウンタイムといいます)は不可能であるとさえ言われていました。

しかし、ブロックチェーンが登場したことにより、このゼロダウンタイムを実現することができるようになったのです。

なぜ実現できたかというと、そもそもブロックチェーンにはサーバが存在しないのです。 ブロックチェーンとは、「コンピュータネットワークを用いて価値を流通させる仕組み」であるため、この仕組みにはデータベースとしての機能だけでなくサーバとしての機能も含まれていることになります。

これまでのWebサービスは、データベースとサーバが両方ないと稼働することができませんでしたが、ブロックチェーンはいわばその両方の機能を併せ持っているため、ゼロダウンタイムを実現することができたのです。

そのため、ブロックチェーンの特徴である「透明性」と「トレーサビリティ」を失っても「ゼロダウンタイム」だけあれば十分、という考えを持った開発者がプライベートチェーンを開発したということになります。

コンソーシアム型

最後はコンソーシアム型のブロックチェーンです。
これは「コンソーシアムチェーン」と呼ばれ、パブリックチェーンとプライベートチェーンの間に位置するような機能を持っています。

パブリックチェーンには特定の管理者は存在せず、プライベートチェーンには特定の管理者が存在しました。
これに対してコンソーシアムチェーンには、複数の管理者が存在します。

コンソーシアムチェーンは、これまでばらばらに散らばって管理していた情報を一箇所に集めて、特定の数名で管理する方法が適している状況の際に活躍します。

例えば、日本の不動産情報をコンソーシアムチェーンで管理する場面を考察してみます。
日本の不動産情報は、各ポータルサイト(SUUMOやHOMESなど)や管理会社がばらばらに管理しているために、正確な空き家情報が管理できていません。

この不動産情報はパブリックチェーンで管理するにはプライバシーの問題が懸念されます。パブリックチェーンに記録するデータは誰でも見ることができるため、不動産情報を記録してしまうと、どの物件に誰が住んでいるかといった情報が筒抜けになってしまいます。

従って、こういった場合には既存の管理者たちが協力し合う形で、コンソーシアムチェーンを形成する方法が理想的かつ合理的なのです。

種類 運営者 特徴 事例
パブリック型 不特定多数 ・完全に透明性のあるデータが流通する Bitcoin、Ethereum、NEM
コンソーシアム型 複数の人または組織、グループ ・データを完全に公開することなく、かつ完全に隠すこともない Hyperldger Fabric
プライベート型 単独の人または組織 ・ルール変更が容易
・合意形成(取引承認)スピードが速い
mijin、HydraChain

上図は、それぞれの種類を表にまとめたものになります。

このように、ブロックチェーンは用途や場面によって様々な形式にカスタマイズされています。
今後もまだまだ違う形のブロックチェーンが登場することが予想できるでしょう。

ブロックチェーンと仮想通貨の関係

ここまでに、ブロックチェーンには特定の管理者が存在しないという特徴を強調してきました。注意点として、ブロックチェーンには「特定の」管理者が存在しないだけで、「不特定多数」の管理者は存在します。
これを踏まえ、ここからはブロックチェーンと仮想通貨の関係について説明していきます。

よくある勘違いの例として、ブロックチェーンはビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨のための仕組みである、というものがあります。
しかしながら、ブロックチェーンは既に仮想通貨以外の分野でも幅広く活用されており、仮想通貨はブロックチェーンを活用した分野の一つである、ということがわかります。

ただし、仮想通貨が単なるブロックチェーンを活用した分野の一つに留まらない場面も存在しています。
どういうことかというと、パブリックチェーンを利用するには仮想通貨が無くてはならないのです。

ブロックチェーンには特定の管理者が存在しませんが、それを逆に言うと、複数の誰かが管理をしなければならないということです。
従来のデータベースは、特定の誰かが管理を行うことで正常に利用できていましたが、ブロックチェーンには特定の管理者が存在しないため、不特定多数の誰かに管理をしてもらう必要があるのです。

ここで必要になるのが仮想通貨です。
ブロックチェーンには、「ブロックチェーンを管理してくれたら報酬として仮想通貨を支払うよ」というプログラムが予め設計されています。
これにより、「ブロックチェーンを管理することで仮想通貨がもらえるなら管理しよう」という大義名分が生まれます。

この経済的インセンティブこそ、「コンピュータネットワークを用いて価値を流通させる仕組み」における最大の発明であると言えるでしょう。

ブロックチェーンの向き不向き

ブロックチェーンの特徴は、「透明性」「トレーサビリティ」「ゼロダウンタイム」であると説明しました。

まるで魔法のように語られることも多いブロックチェーンですが、当然、利用用途によっては向き不向きがあります。
ここでは、ブロックチェーンの得意不得意について「透明性」「トレーサビリティ」「ゼロダウンタイム」の観点から説明していこうと思います。

ブロックチェーンが適していること

トレーサビリティ

「トレーサビリティ」とは、日本語で「追跡可能性」と訳されます。
ブロックチェーンに記録されるデータは、過去のものも含め全て追跡可能であるということです。

例として、製造業におけるあらゆる記録をブロックチェーンで管理する場面を考えてみましょう。

日本で販売されている製品が中国産であったり、業者を仲介させることにより販売価格が高騰していたりと、モノ造りには我々の知らないプロセスが数多く存在しています。
これらのプロセスを全てブロックチェーンで管理することにより、そのプロセスが正しいものなのか、本当に必要なものなのかを、全て遡って分析することができます。

これにより、例えば情報の非対称性の解消やコスト削減というメリットを享受することができます。
これがトレーサビリティ(追跡可能性)です。

ゼロダウンタイム

世の中には、絶対に消えてしまってはいけない記録や、絶対に止まってしまってはいけないシステムが存在しています。

例えば、銀行が管理している利用者の口座残高などは絶対に消えてはいけませんし、銀行の送金システムは絶対に止まってはいけません。(意図的に停止させる場合は除きます)

こういった場面においては、既存のシステムよりもブロックチェーンが適しているのです。
ただ、絶対に消えてはいけない記録などは、そのほとんどがプライバシーを考慮する必要のあるデータであることが多く、その場合は、ブロックチェーンの利用を推奨することはできません。

ブロックチェーンが適していないこと

透明性

「透明性」とは、ブロックチェーンに記録されるデータはいつでも誰でも閲覧することが可能であるということです。

仮想通貨取引所を運営するbitFlyerの提供しているブロックチェーン可視化サービス「chainFlyer」を紹介します。 このサービスは、ブロックチェーンの中身を非常に見やすくしたものです。

chainFlyerには、ビットコインの送金履歴などの情報が全て可視化されている

このように、ブロックチェーンの中身はいつでも誰でも閲覧することができます。
そのため、ブロックチェーンにはプライバシーを考慮する必要のあるデータを記録することはできません。

例えば、ブロックチェーンには個人情報などは絶対に記録してはいけません。
「トレーサビリティ」の部分でも説明しましたが、一度でもブロックチェーンに記録されてしまうと、過去に遡って閲覧することもできてしまうからです。

リアルタイム性

ブロックチェーンには不特定多数の管理者が存在するため、この管理者の数が増えれば増えるほど、データが共有されるのに時間がかかります。
そのため、ブロックチェーンは即座にデータが記録される必要のある場面には適していません。

例えば、実は現状のブロックチェーンは決済には向いていません。
決済というのは、即座にデータが反映される必要があるため、ブロックチェーンを使用すると決済が完了するまでに時間がかかってしまうのです。

ブロックチェーンの抱える課題を解消する仕組み

以上のように、現状のブロックチェーンには数多くの課題(不適切な場面)が存在しています。
しかしながら、ブロックチェーンは日々改善が進んでいるため、これらの不適切な場面においてもブロックチェーンが利用される日は、近い将来に訪れるかもしれません。

例えば、「透明性」の観点では、ブロックチェーンに記録するデータを暗号化することで、特定の人物にのみ閲覧することができるようにする仕組みも登場しています。これはシークレットコントラクトと呼ばれ、エニグマというブロックチェーンなどが実現しようとしています。
「MIT発、分散型クラウドコンピューティングEnigma(エニグマ)とは」

また、「リアルタイム性」の観点では、セカンドレイヤーという概念が登場しています。これは、ブロックチェーンで全てを完結させず、周辺技術を整備することでブロックチェーンの実用化を進めようとする考え方です。

例えば、イーサリアムのブロックチェーンでは、「シャーディング(Sharding)」という仕組みが組み込まれようとしています。シャーディングは、ブロックチェーンの管理者を複数のグループ(シャードといいます)に分散させ、それぞれのグループで異なる管理作業を行わせる仕組みです。こうすることで、従来よりも早くデータが反映されるようになるのです。

この記事のまとめ

  • ブロックチェーンとは「コンピュータネットワークを用いて価値を流通させる仕組み」であり、その仕組み内で使用するデータベースのことである
  • ブロックチェーンには、「パブリック型」「コンソーシアム型」「プライベート型」のようにいくつかの種類が存在する
  • パブリックチェーンにおいて仮想通貨は必要不可欠である
  • ブロックチェーンには向き不向きが存在し、キーワードは「透明性」「トレーサビリティ」「ゼロダウンタイム」である

繰り返しになりますが、「ブロックチェーンとは」これを一言で表すのは至難の業です。

ブロックチェーンが誕生してまだ10年しか経っていない今日、ブロックチェーンの改善活動は凄まじい勢いで進んでいるため、数年後には予想もできなかった仕組みが実現しているかもしれません。

まずは基礎を抑えることにより現状のブロックチェーンの課題を理解し、その課題を解消するための動きをキャッチアップすることで、ブロックチェーンをさらに深く理解することができるようになるでしょう。

関連記事

仮想通貨の半減期とは | 価格への影響について徹底解説

【対談】仮想通貨業界最前線の3人に聞いた「業界の現状と理想」

今回は、(…

仮想通貨のハードフォークとは|仕組み・メリットデメリットを解説

【話題】仮想通貨売買のコツを”イケてる”税理士に聞いてみた

こんにちは…

始めるべき?仮想通貨のメリット・デメリットと投資すべき3つの理由

仮想通貨を始めるなら安心・安全な取引所で

日本最大手の取引所「bitFlyer」

  • ※現在新規登録停止中です
  • 日本最大の仮想通貨取引所
  • 金融庁公認なので安心

公式サイトはこちら

仮想通貨FXなら安心のGMO

GMOコイン

  • GMOなのでセキュリティ万全
  • 2wayプライスなので取引が簡単
  • 現物取引にも対応

公式サイトはこちら