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イーサリアムは時価総額2位の仮想通貨
イーサリアムは元祖仮想通貨であるビットコインに次ぐ時価総額を誇る仮想通貨です。イーサリアムとはプラットフォームおよびプロジェクトの総称であり、通貨の正式名称は、イーサ(ETH)と言います。
イーサリアムの歴史
2013年 天才ヴィタリック・ブテリンによって考案
イーサリアムは、2013年にロシア人のヴィタリック・ブテリン氏(当時19歳)によって案されました。 小学生の頃から神童と呼ばれていたブテリン氏は、17歳の頃に父親から「ビットコインを知っているか?」と尋ねられたことをきっかけにブロックチェーンに興味を抱いたと発言しています。 彼は、ビットコインについて調べたり記事を執筆するなどの活動を通して、人々が仮想通貨に求めているニーズを現状の仮想通貨では満たせないと感じてイーサリアムを考案し、開発計画書(ホワイトペーパー)を発表しました。
イーサリアムは2015年のリリース当初は1ETH=300円程度でしたが、現在(2017年12月時点)では、1ETH=7万円を超える時価となっています。
では、ブテリン氏の考案したイーサリアムはどういった点が評価されて高騰したのでしょうか。次の章で、イーサリアムの特徴を紹介します。
イーサリアム最大の特徴はスマートコントラクト
イーサリアムは、ビットコインとは違う特徴を持つとても将来性ある通貨です。イーサリアムの特徴について詳しく解説していきます。 イーサリアム最大の特徴がスマートコントラクトを扱えることです。 スマートコントラクトとは、簡単にいうと「インターネット上の取引で定義した契約条件が満たされ次第サービスが自動で実行される」プログラムです。 イーサリアムでは、契約内容・条件を定義したプログラムをブロック内に格納することでサービス提供者が用意したサービスを送金のみの手順で行うことができます。
つまりどういうことかというと、ビットコインなどの仮想通貨はただ決済することしかできないのに対して、イーサリアムは決済と同時に契約締結とサービス提供を行う機能も付いているということです。
まだピンとこない方も多いと思うので、例えとしてアプリ販売に置き換えて説明します。現在のオンラインでの楽曲販売では、以下の図のようなフローで購入・決済・サービス提供が行われています。

プラットフォームというのは、例えばitunesです。皆さんはitunesに一度お金を支払ってアプリをダウンロードしています。itunesのようなプラットフォームがユーザーから受け取った売上から手数料を差し引いた金額は販売元が最終的に受け取れる金額となります。
では、スマートコントラクトのあるイーサリアムを利用したアプリ販売が将来的に実現した場合はどうなるのでしょうか。下の図をご覧ください。

契約条件とサービス提供が自動化されることによって、販売元はユーザーが支払ったお金をそのまま受け取ることができます。 また、安全性の面でもブロックチェーン技術によって改竄や不正は防止されているので安心です。
この例はとても簡単な例ですが、将来的にこのスマートコントラクトを応用することで様々な契約がオンライン上で可能になり、記録や保全も自動で行うことができます。 ビットコインなどはスマートコントラクトを扱っておらず、イーサリアムは他の仮想通貨と比較すると将来性のとても高い通貨と言えるでしょう。
イーサリアムは4回のハードフォークによって完成
イーサリアムは、リリース当初から4回のハードフォーク(仮想通貨のアップデートのようなもの)計画しており2017年12月時点では第3回の途中という状況です。 4回のハードフォークの名前はそれぞれ「フロンティア」「ホームステッド」「メトロポリス」「セレニティ」と名付けられています。 名前だけ見てもどういった内容のハードフォークなのかさっぱりわからないと思うので、各段階について詳細を解説していきます。
2015.7.30 フロンティア-frontier-
このフロンティアと名のつけられたバージョンは、テスト版的な位置付けです。イーサリアムをブテリン氏が開発を開始してから1年半ほど経ってのリリースでした。 フロンティアリリース前の資金調達では、分散型プラットフォームという革新性に期待が集まり、1億1000万円分のビットコインの調達に成功しました。
2016.3.15 ホームステッド-homestead-
先述のフロンティアがテスト版だとすると、ホームステッドは安定版です。主な変更内容は、マイニングの難易度調整やスマートコントラクトのシステム修正などでした。
メトロポリス-metropolis-
3段階目はメトロポリスというフェーズですが、これは2回に分割してハードフォークして完了するというものです。
Pt.1 2017.10.16 ビザンチウム-Byzantium-
メトロポリスのパート1となるビザンチウムの主な目的は、セキュリティ強化,マイニング難易度低下・スマートコントラクトの簡略化などです。 他には、zcashと連携してzk-SNARKsという技術を導入して取引の匿名性が向上しました。
Pt.2 コンスタンティノープル-Constantinople-
メトロポリスのパート2であるコンスタンティノープルについては時期・内容ともに未定です。PoSへの移行準備も噂されますが、見送られるとの見方もあります。
セレニティ-serenity-
イーサリアムのハードフォーク最終段階となるセレニティではイーサリアムが安定的に世間で使用されるような完成形態を目指します。セレニティでは現状採用されいてるPoWからPoSへの移行が完了すると言われています。