仮想通貨の価格下落要因を徹底解説 | 今後注目のイベントと展望は?

2017年12月中旬に1BTC約2万ドルの市場最高値を記録したビットコインですが、2018年に入り下降トレンドが継続しています。

2017年末に仮想通貨取引に参加した方々にとっては非常に辛く、今後は仮想通貨から距離を置くという決意をした方も多くいると考えられます。

それでは、2017年12月末から現在(執筆時点:2018年2月末)も続いている下降トレンドは何が原因なのでしょうか。

今後の仮想通貨はどのように推移し、また周辺事情はどのように変化していくのでしょうか。

暴落の原因となった出来事と、今後控えているイベントを整理して考察を述べていきたいと思います。

下落の原因となった出来事

まずは下落の原因となった出来事を時系列に紹介していきます。

韓国法務省による取引所の禁止報道

韓国規制

2018年1月11日に、「韓国における仮想通貨取引を全面禁止する」という発表を韓国の法務省が行いましたが、その翌日、韓国の大統領府が法務省の発表を全面否定しました。

法務省が政府の同意なしに独断で発表を行うという異例の自体であり、これに伴いビットコインの価格が約1,000ドル下落しています。

なお、この法務省の発表に対して、反対派の国民が署名活動を行い10万名以上の署名が集まりました。
仮想通貨に対する韓国国民の期待の表れともいえるでしょう。

Thether(テザー)への疑惑

2018年に入って加速した報道がThether(テザー)に関する疑惑です。

Thether(テザー)は、ドルの価値に連動するペッグ制を採用している仮想通貨で、1USDT(テザーの単位)=1ドルに固定されています。

テザーの価値の裏付けがドルに固定されているため、テザーを発行しているテザー社は、当然発行しているテザーと同額のドルを保有している必要がある、という指摘がきっかけです。

今回疑惑が掲げられているのはこの部分で、テザー社は市場に出回っている約20億ドルもの大金を保有しているのかというものです。

万が一、流通額と同額のドルを保有していない場合、テザー社はある意味自由にテザーを発行することができ、ドルに価値が固定されたテザーを使ってビットコインなどの仮想通貨を買い漁ることができてしまいます。

要するに、これまでのビットコインの価格上昇はテザーによって引き起こされていたのではないかということです。(買い需要が入るということは価格が上がるということです。)

なお、この問題は現在も解明されていません。(執筆時点:2018年2月27日)

NEM不正送金事件

2018年1月26日に、日本を拠点とする取引所であるコインチェックの管理する仮想通貨ネム(NEM)が不正送金の被害に遭いました。

事件の詳細は「コインチェック不正送金事件の本質と利用者が身につけるべき知識」で紹介しておりますので、そちらをご参照ください。

この事件がきっかけで、ビットコインは約1200ドル下落し、その他の仮想通貨も大幅に下落しました。

インドにおける仮想通貨”規制”報道が”禁止”と誤報される

2018年2月1日に、インドの財務大臣が「仮想通貨は法定通貨とはみなさず、正しく規制し、不正行為は取り締まっていく」との声明を発表したところ、仮想通貨の禁止と誤って報道され、そのままSNSなどで拡散された結果、ビットコインの価格が約1000ドル下落しました。

世界的な株式市場の大暴落

ニューヨーク株式市場

2018年2月5日に、ニューヨーク株式市場で、ダウ平均株価が一時的に約1500ドル下落するという過去最大の大暴落が発生しました。

この下落は株式市場だけに止まらず、仮想通貨市場にも影響し、ビットコイン価格は約1000ドル下落しています。

仮想通貨市場は、世界的な金融情勢と相互に強く影響を与えていることがわかった出来事であったといえるでしょう。

また同日、JPモルガンチェースやバンクオブアメリカなどの大手カード発行会社、英ロイズ銀行などがクレジットカードによる仮想通貨の購入を停止する旨を発表しています。

中国政府、国外取引所へのアクセスも禁止

2018年2月6日に、中国政府が、香港を拠点とする取引所Binance(バイナンス)を含む国外取引所へのアクセスを禁止する旨を発表しました。

中国では既に国内における仮想通貨取引を全面的に禁止しており、今回の発表でとうとう国外へのアクセスも禁止する方針を打ち出しています。

インターネットの遮断と同様、独自のファイヤウォールの構築を進めているとのことで、仮想通貨に対する中国の反対意識が、またしても顕著に表れた形となりました。

考察

2018年に入ってからの一連の動向から、日本ではなく世界的な動向が中心となっていることがわかります。

仮想通貨取引は日本が中心となっているとの報道が見受けられますが、それは恐らく、規制レベルの低かった日本の取引所が中心となっているだけで、日本人が中心となっているわけではないと考えられます。

また、ネムの不正送金事件のように、以前は取引所へのハッキング被害が価格下落の主な原因となっていましたが、最近は規制などの大きな枠組みでの動向が強く影響するようになってきたと感じています。

その中で、韓国やインドのような誤報による影響が発生していることからも、まだまだ仮想通貨業界が発展中であることの裏付けといえるのではないでしょうか。

メディアや投資家のリテラシー強化が進むにつれ、世界的な動向も含む情報をどれだけ正確にいち早く入手することができるかどうかが重要になることは、もはや周知の事実になってきていることがわかります。

今後の展望

ここまでに、いくつかある種ネガティブな出来事を紹介してきました。
それでは、仮想通貨はこのまま下降の一途を辿るのでしょうか。

少し今後予定されているいくつかのイベントを紹介します。
現時点では、仮想通貨にとってポジティブとなるかネガティブとなるかは断言できませんが、今後を占う際の参考になればと思います。

Group of 20(G20)

G20

2018年3月19日~20日の期間で、「G20」が開催されます。
仮想通貨元年であった2017年をうけ、今年のG20には特に注目が集まっており、間違いなく、今後の仮想通貨動向を左右する一大イベントになるといえるでしょう。

仮想通貨に関する法律の記事でも紹介しましたが、2015年6月8日に開催されたG7エルマウサミットで、仮想通貨に関する首脳宣言がなされました。

この宣言をうけ、日本でも2016年に改正資金決済法が成立しましたが、今回のG20サミットでも間違いなく世界的な声明が発表されることでしょう。

G20での声明は価格にも影響してくることが容易に予想できるため、しばらくはG20に関する動向から目が離せません。

また、今回の開催国であるアルゼンチンは2014年に債務不履行(デフォルト)に陥っており、そういった国の状況も踏まえた仮想通貨への取り組みにも注目していきたいと思います。

ブロックチェーン技術の進歩

ビットコインに限らず、現在のほぼ全てのブロックチェーンにはスケーラビリティ問題が存在しています。

少し技術的な話になりますが、過去の価格の値動きをみても、技術的な動向による影響を受けている事例が多々ありますので、重要な部分だけでも把握しておいて損はないでしょう。

ブロックチェーンのスケーラビリティ問題への解決策として、Segwitやオフチェーンという技術の動きが活発になってきています。

ここではビットコインに関する動向を取り上げますが、ご存知の通り、ビットコインの価格変動は他の仮想通貨にも影響するため、ビットコインの技術動向には注目しておくべきといえるでしょう。

Segwit

ブロックチェーンのスケーラビリティ問題への対応策はいくつか提案されていますが、その中でもSegwitにポジティブなニュースが相次いでいます。

Segwitを簡単に説明しておくと、ビットコインの取引データうち、取引に付与される電子署名だけをブロックチェーンに記録しないようにする技術です。
そうすることで、より多くの取引データを格納することができます。
Segwitの概要はこちらの記事を参照してください。

2018年2月に入ってから、アメリカの大手取引所Coinbaseや香港の大手取引所BitfinexがSegwitの導入準備が整ったことを発表しました。

大手の取引所がSegwitに対応することで、今後のSegwitのさらなる普及が期待できそうです。

また、Bitcoin Coreというビットコインを利用するために必要な機能が一通り揃っているオープンソースのソフトウェアにおいて、その中のウォレット機能がSegwitに対応するという発表が出ました。
これによって、Bitcoin Coreのウォレット機能においてSegwitのすべての機能がサポートされることになります。

これに伴い、仮想通貨事業者が自社サービスにSegwitを導入するために発生していたコストが削減され、一層Segwitが一般的になっていくと考えられます。

オフチェーン

ブロックチェーンのスケーラビリティ問題への対応策として、オフチェーンという技術も活発な動きをみせるようになってきました。

オフチェーンとは、これまでブロックチェーン上で行ってきた取引をブロックチェーンの外で行うというものです。
実は、既に取引所内で行われている取引の多くがオフチェーンによるものとなっています。

オフチェーンによってブロックチェーンの制限から解放され、取引量のスケールが期待できるということです。

オフチェーンの代表的な例として、ビットコインのライトニングネットワークやイーサリアムのライデンネットワークなどが挙げられます。

このライトニングネットワークのテストネットが2017年の12月にリリースされ、執筆時点(2018年2月27日)で、決済チャネル数は1,478、ノード数は891、取引額は39,863.39ドルとなっています。

ライトニングネットワーク

ライトニングネットワークの決済チャネルやノードを可視化したサービス

多くのノードが立てられ、ノード同士を結ぶ決済チャネルが無数に張り巡らされていることがわかる

テストネットにも関わらず、これだけ多くの参加者がいることからも、ライトニングネットワークへの期待値が非常に高いことが伺えます。

余談ですが、ブロックチェーンの開発は、

  1. 自分のPC上などで開発(プライベートネット)
  2. テストネットにリリースして色んな人に触ってみてもらう
  3. メインネットにリリースする

といった流れで開発していくことが一般的です。

ブロックチェーンは改ざんができないことを強みとしているため、いきなりメインネットにリリースしてしまうと、不具合などがあった場合に容易に改修することができないためです。

現在のライトニングネットワークの状況は、上記②のテストネットの状態です。

考察

今後の注目すべきイベントをいくつか紹介しました。
2018年は、世界的な動向や技術的な動向に一層注目が集まり、実際に価格に影響を与えていくことが予想されます。

まずは3月に控えているG20は要注目です。
こういった世界的なイベントは技術開発と違い、日程が決まっていて必ず開催されます。
つまり、先延ばしにはできないということであり、ついに世界的な場で仮想通貨に関する議論が行われる日がやってくるということです。

日本は世界に先んじて仮想通貨に関する規制を整備しましたが、世界には規制が追いついていない国がまだたくさんあるのが現状です。
今回のG20では、嫌が応にも全世界を巻き込んだ議論がなされます。

過去のG20で議論された内容や、開催後の株式市場の変動などを事前に調べてみてもおもしろいかもしれません。

技術的な動向に関しては、必ずしも自分で開発できる必要はないと思います。
ただし、その技術が具体的にどういう技術なのか、それによってどういった課題が解決されるのか、解決された後の世界はどうなっているのか、これらについては知っておく必要があるといえるでしょう。

全体考察

今回は、価格の下落に関してその要因を整理し、また今後どういったイベントが控えているのかについて考察しました。

ビットコインはまだまだ貨幣としての要素を満たせていません。
1日に何十万円もの値動きがあるものを貨幣とはいえないでしょう。

一方で、仮想通貨の活用例は貨幣だけに止まらないと考えられます。
デジタルトークンとしての仮想通貨は、新しい価値の証明方法としてその存在意義を発揮していくことでしょう。

そのような新しい社会において、仮想通貨の価値を法定通貨との価格だけで判断していては、間違いなく本来の価値を見誤ることになります。

現状の仮想通貨の抱える課題を解決した先に、トークンエコノミーが可能にする新しい価値の判断基準が一般化し、これまで表現できていなかったモノの真の価値が明らかになると考えられます。

この記事のまとめ

  • 最近の価格の下落は、以前よりもさらに世界情勢や技術動向に強く影響されるようになっている
  • G20をはじめとする世界の規制動向や、オフチェーンなどの技術動向に一層注目する必要がある
  • 仮想通貨の価値は法定通貨との価格だけでは判断できない

世界に目を向けると、仮想通貨を知らない人がたくさんいる国や、規制が追いつかずに外国資本が大量に流れ込んできている国などがたくさんあります。


実際に著者も世界をみて回る中で、日本で入手した情報とのギャップに驚きました。 日本は確かに仮想通貨先進国ではあるといえますが、だからといって日本だけの情報を入手していると、いずれ世界に遅れを取ることになります。


また機会があれば、世界の仮想通貨事情に関する記事も執筆できればと思います。

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