コインチェック事件で流出した仮想通貨NEMの正体とは

仮想通貨市場が急激に伸びているさなか、約580億円に値する仮想通貨のNEMが流出するコインチェック事件が起こりました。ここでは、流出したNEMというコインについて、コインが持つ特徴や歴史を紹介したいと思います。

コインチェック事件について

事件の概要|5億2,300万NEMがハッキングにより不正送信

2018年1月26日、仮想通貨取引所コインチェックのシステムが何者かによってハッキングされ、顧客から預かっていた5億2,300万NEM(約580億円相当)が流出しました。この事件の原因は、コインチェックのずさんなNEMの管理体制にあります。本来、インターネットと隔絶していて外部からのハッキングリスクが低いゴールドウォレットで管理すべきところを、インターネットと常時つながっていてハッキングのリスクがあるホットウォレットで管理していました。

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事件への対応

事件から2週間経過した現在でもまだ犯人は捕まっておらず、事件の解決はなされていません。さらに、事件から約2週間の間はコインチェックが取引しているビットコイン以外全ての通貨の売買の出金・送信が停止され、コインチェック口座に入っているコインを利用することができなくなりました。2018年2月13日から随時日本円での出金が始まっており、顧客の資産は保護されているようです。

NEMは安全なコインなのか?

セキュリティー

今回のコインチェック事件でNEMが流出したため、「NEMはセキュリティ対策の甘いコインだ」というネガティブなイメージを持った人もいるかもしれません。しかし、NEM自体は決してセキュリティ対策が甘いコインではありません。今回の事件の原因はNEMの管理方法がずさんであったことで、NEMというコインのセキュリティが弱かったわけではないのです。

NEMの技術仕様・特徴

NEMには、POIアルゴリズムから生み出されるハーベスティングという仕組みや強固なセキュリティ体制などコイン独自の特徴が多々あります。

アルゴリズムはPoIを採用

PoI(Proof of Importance):
参加者の重要度に応じて、発言権や報酬を受けられる仕組み

PoIは通貨の「保有量」と「取引量」に応じて報酬(通貨発行)が発生します。具体的には、PoIは残高・取引回数・取引量などから総合的に判断されスコアリングされます。NEMを保有しているユーザーのアカウントにPoIスコアが付けられており、NEMのネットワークに積極的に参加しているユーザーがPoIスコアを上昇させて利益を得られる仕組みとなっています。 スーパーノードに指定されたコンピューターはたくさんの利益を得られる仕組みとなっています。

スーパーノード

ノードとはブロックチェーンの取引の記録を行っているコンピュータのことを指します。スーパーノードとはノードの中でも特別な存在です。

スーパーノード

条件:300万XEM(直近相場60円で換算すると約1億8000万円)以上保有
報酬:サーバーを立ててNEMの取引の検証を行うことで得られる

ノード

条件:1万XEM以上300万XEM保有
報酬:NEMの公式ウォレットであるNanoウォレットにNEMを入れておくことでわずかに得られる

ハーベスティング

POIシステムを土台として、NEMではハーベスティング(収穫)という方法でブロックチェーンを正常に機能させています。NEMの取引をするとき手数料が発生しますが、手数料はその取引が正当であることを承認するために支払われます。この取引が正当であることを承認した人が、報酬として手数料を受け取ることができます。ハーベスティングに参加できる条件は、10,000XEM 以上を保持していることだけで、その他の要件はありません。この仕組みによって一部の人に報酬が偏らないようになっています。

ハーベスティングとは異なるブロックチェーンの維持方法がマイニングです。

マイニングとハーべスティングの比較

マイニング

仕組み:ブロックチェーンの取引情報が正しいかを確認して全ての取引記録を取引台帳に追記する作業を行うことで、報酬を得られる。
仮想通貨:ビットコイン・イーサリアムなど多数

マイニングの特徴

  • 初期投資コストが大きい
  • 1日中多くのコンピューターを稼働させるため、多量の電力を消費する
  • 特定のグループや資金力のあるユーザーに取引と報酬が偏る

ハーベスティング

報酬:残高・取引回数・取引量などから総合的に判断されスコアリングされるPoIのスコアに応じて得られる。
仮想通貨:NEM

ハーベスティングの特徴

  • 電力消費量が少ない
  • 取引を行う人に平等に利益が行きやすい(完全に平等ではない)

セキュリティの堅牢性

NEMという仮想通貨自体がセキュリティに優れています。NEMのネットワークのセキュリティを大幅に強くしているのは、NEMが採用しているEigentrust++というアルゴリズムに由来します。Eigentrust++アルゴリズムでは、ノード間の信頼性を評価する仕組みを導入しています。これにより、悪意のあるスパムノードなどをネットワークから除外することが可能となり、NEMが形成するネットワークセキュリティを向上させています。

NEMの歴史とこれまでの動き

NEMの歴史

2014年1月19日、utopianfutureというハンドルネームの人物により企画が持ち上がり、金銭的な自由、分散化、平等などの原則に基づいて新しい経済圏の創出を目指す仮想通貨のプロジェクトとして2015年3月末に公開されたのがNEMの始まりです。

The NEM.io財団とは

NEM.io財団とは NEMの普及、教育を促進するため、シンガポールを拠点に2017年3月に設立された有限責任保証会社です。財団の設立目的は、NEMブロックチェーン技術プラットフォームの導入、教育、普及を国際的規模で全業界と連携して行うことです。各国や地域の支部の構成員は、ビジネス、学問的研究や地域の政府など多岐に携わり、その地域でのNEMの導入や普及を目指します。

実績の1つにオーストラリアに拠点を置くブロックチェーン企業、Blockchain Globalとの戦略的提携があります。提携目的は、ブロックチェーン技術の主要分野への普及を促しつつ、NEMの普及範囲を拡大することと発表されており、このような技術者の教育の場、活躍の場を用意することも重要な財団の公益事業となります。

これまでの値動き

チャート分析

2017年12月上旬の急騰

カタパルト実装への期待が高まった
驚異的な処理能力の速さを実現できるカタパルトの実装現実への期待が12月上旬に高まりました。9月28日にはNEM.io財団の代表者が「2017年以内にカタパルトがリリースされるべきである」と話し、さらに11月6日、テックビューロ株式会社は、カタパルトのオープンソース化に向けテストプログラムを開始したことから、年内のNEMのカタパルト実装が実現するという期待が高まりました。

WechatというメッセージアプリでNEM決済が可能になったというニュースが流れた
実際には公式同士が提携したわけではなく、NEMの中国支社がWechatを利用して送金できる拡張アプリを作っただけでしたが、WechatでNEM決済が可能になれば簡単に決済できたり友達登録した人には長いウォレットアドレスを用いることなく簡単に送金できるようになるため、NEMに大きな期待がよせられました。

2018年1月上旬の暴落

・仮想通貨全体の暴落に影響された
全世界の取引所のデータを比較、閲覧できるコインマーケットキャップが、仮想通貨の取引が人気の韓国の取引データを予告なしに排除しました。これにより、仮想通貨全体でいきなり3割程度の価格が低くなってしまい、これに動揺した投資家による売りが続いて仮想通貨全体で価格が暴落しました。

NEMを取り扱っている取引所はどこ?

NEMを取り扱っている取引所は国内ではZaif (ザイフ)やDMM Bitcoin、海外では、海外2大取引所として有名なPoloniex (ポロ二エックス)やBittrex (ビットトレックス)などがあります。ここでは、それぞれの取引所の特徴を簡単に解説します。

Zaif (ザイフ)

  • 国内の大手仮想通貨取引所
  • NEM取引にかかる手数料が安い。2018年2月時点で手数料は0~0.1%
  • コイン積み立てサービス(自動で毎月コインを購入できるサービス)がある
  • セキュリティ体制が整っている
  • 補償サービスがない
  • アプリが見づらく初心者には扱いづらい

DMM Bitcoin

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  • NEMのレバレッジ取引(取引所に証拠金を預けて、その金額以上の金額を取引)することが可能で、最大レバレッジは5倍
  • 手数料は0.04%/日かかる
  • アプリが見やすく、チャートも速く動くため取引しやすい
  • スマホアプリにも対応している
  • NEMの現物取引はできない

Poloniex (ポロニエックス)

  • 世界でも最大級の海外取引所
  • 手数料が安い:一律0.15~0.25%
  • 取引は全て英語で日本語対応していない
  • 日本円で入金できない

Bittrex (ビトレックス)

  • 世界でも最大級の海外取引所
  • 最新の通貨を取引対象としている
  • 取引は全て英語で日本語対応していない
  • 日本円で入金できない

まとめ

以上、国内と海外それぞれ2つのNEMを取り扱っている取引所を紹介しました。海外取引所の最大のメリットは、日本国内では取引でない最新のレアな通貨の取引ができる点であるため、NEMの取引をするだけであれば国内の取引所を利用する方が簡単でしょう。海外取引所を利用すると、英語で取引を行わなければならず、エラーが発生した時の対処も大変ですし、日本円で入金できないデメリットもあります。以上を踏まえて、NEMの取引においては、ZaifまたはDMM Bitcoinの国内取引所の利用をおすすめします。

これからの展望

NEMでは今後カタパルトの機能が実装される予定です。実際、NEMにカタパルトの機能が実装された際の機能向上とそれに伴う価格変動に期待して、今からNEMを保有している人も多いようです。ここでは、驚異的な機能であるカタパルトについて紹介します。カタパルトの紹介に入る前に、カタパルトのもととなっている「mijin」という技術についてまずは説明します。

商用ブロックチェーン「mijin」

mijin

画期的なプライベートブロックチェーン技術
⇔ビットコインなど多くの仮想通貨:パブリックブロックチェーン

ブロックチェーン

多くはパブリックブロックチェーン

ビットコインをはじめとする仮想通貨の取引を支えているブロックチェーンは、誰もがノードとして参加できるように公開されているパブリックなブロックチェーンです。中央の管理者がおらず誰もが参加できることで、第三者に不正に改ざんさせないようにしていて、これが今までのブロックチェーンの最大の特徴でした。

NEM独自のプライベートチェーン

パブリックチェーンの最大の特徴を革新させて、指定された人だけの独自のブロックチェーンを作成できるようにしたのがmijinです。mijinでは、自分が管理するネットワーク上で、指定したノードだけが参加できるプライベートなブロックチェーンを構築しています。mijinを利用することで、企業内や企業間で利用可能なプライベートブロックチェーン環境を構築し、既存のデータベースやシステムと比べて劇的にコストを削減すると同時に、改ざん不可能な高セキュリティ環境を構築できます。

「mijin」技術は銀行の業務の効率化にも貢献

ジャパンネット銀行は、2018年2月6日からmijinとHyperledger Fabricという2種類のプライベートブロックチェーン技術を連携させた業務システムの実証実験(PoC)を開始しました。mijinを用いて、契約書ファイルのハッシュ値と誰がいつ契約書に承認・却下したかをそれぞれブロックチェーンに記録します。契約書を交換する手続きをペーパーレス化、デジタル化することが可能で、業務の効率化が期待されています。

注目されるカタパルトとは

mijinの技術をさらに進化させたのが、NEMに利用される予定のカタパルトです。mijinは、プログラム言語「JAVA」をベースとしている一方、カタパルトは「C++」で開発を行っている点が最大の違いです。

カタパルトの特徴

カタパルトによって、驚異的なまでの処理能力の速さを実現できる可能性があります。具体的には、最も有名な仮想通貨であるビットコインが秒間約14取引、高速決済、銀行間や国際間送金を売りにしているリップルが秒間約1500取引です。これに対して、NEMではなんと秒間3000~4000取引の処理性能を備えていると言われています。これは、クレジットカードの中でも世界一の処理能力をもつVISAの処理能力、秒間4000~6000取引に追いつくレベルです。

今後の展望

NEMはユーザーが平等に報酬を得られるハーベスティングや、強固なセキュリティ技術など多くの優れた点があり、カタパルト実装が予定されていて今後の期待も大きいです。今回のコインチェック事件でNEMが流出し、NEMに対する悪いイメージが付与されたかもしれませんが、今回の事件の原因はNEM自体にはなく、取引所のNEMの管理方法にあります。

NEMをはじめ多くの仮想通貨のレートが下がっている現在、様々な声も聞かれますが、仮想通貨独自の特徴を知り、安全に管理することの大切さを把握した上で、今後の動きをみていきましょう。

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